福井県内12のJA合併で単一に 平成32年、県中央会が発表

JAの再編について説明するJA県中央会の田波会長=福井市
JAの再編について説明するJA県中央会の田波会長=福井市

 JA福井県中央会は1日、県内12のJAを平成32年4月1日に合併させ、単一JAに再編すると発表した。組織のスリム化や効率化で事業基盤を強化し、農業活性化を目指す。田波俊明会長は記者会見で「組織のための再編ではない。組合員の利益になる再編にしたい」と述べた。

 30年4月に合併促進協議会(仮称)を立ち上げ、31年中に組合員への説明会、予備契約の締結を行い、同年7月に可否を問う合併総代会を開く。可決されれば32年4月の新JA発足を予定。28年末時点の総組合員数は約11万5千人。

 田波会長はスケジュールについて「前倒しもありうる」とした。

 JAの経営は、信用事業や共済事業といった金融、保険に該当する分野で営農事業を支える構造だが、低金利が続き、経営環境の悪化が懸念されている。また、農協改革で経済事業の強化を求められており、12JAが黒字を確保できているうちに合併を目指す。

 重複する施設の合理化や老朽化対策、組織一体での農産物の販売やPRなどに取り組むという。

 同中央会は平成13年に「1JA構想」を提唱したが、一部のJAの経営悪化でいったん頓挫。今年9月の理事会で賛同が得られたため実現の見通しが立った。

 同中央会によると、奈良など4県でJAが1つに集約されている。

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