長府製作所、業務用給湯器市場へ参入

 住宅設備メーカーの長府製作所(山口県下関市)が、ホテルや福祉施設など業務用の給湯機器市場へ、年内にも参入することが30日、分かった。同社は主に家庭用の給湯機器を製造・販売している。過去、業務用機器から撤退したが、国内の住宅着工戸数が減少する中、収益安定を目指して再挑戦する。

 長府製作所はガスや石油、太陽光、地中熱などさまざまなエネルギーを使う給湯・空調製品を販売している。こうした家庭用の既存製品を複数台つなぎ、業務用の大容量に対応することを検討している。

 また、昨年3月に子会社化した大阪テクノクラート(堺市)のノウハウも活用する。

 大阪テクノクラートは、熱源を集中させて温水などを供給するセントラルヒーティングシステムの設計・施工に強みがある。大規模マンションやホテル、福祉施設などを顧客に抱える。

 長府製作所は平成18年ごろまで、銭湯や宿泊施設などへの業務用ボイラーを販売していた。こうした製品はオーダーメイドが多く、コストに見合わなかったため撤退した。今回は、大阪テクノクラートのノウハウも生かし、家庭用の製品を活用しながら、再参入する。

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