北海道震度7地震

北海道の節電2割の数値目標を解除 計画停電も「当面必要なし」 揚水発電の稼働受け

 世耕弘成経済産業相は14日、地震によって北海道で通常よりも「2割減」としていた平日の節電要請について、数値目標を連休明け18日から取りやめると発表した。揚水式の水力発電の稼働などを受け、一定の供給力を確保できたため。地域を区切って電力供給を順番に止める計画停電についても「当面は実施する必要はない」と語った。

 9月末に予定する北海道電力の苫東厚真(とまとうあつま)火力発電所1号機が稼働すれば、世耕氏は「電力需給はかなり安定する」と述べ、特別な節電要請自体も取りやめるとの認識を示した。

 ただ、電力需給は当面、厳しい状況が続く。世耕氏は9月末までは電力需要を1割程度減らす必要は変わりないとして「できる限りの節電のご協力をお願いしたい」と強調した。その上で、老朽火力発電のトラブルなどで需給が逼迫(ひっぱく)した場合には、「改めて節電目標を設定する」と説明した。計画停電についても「需給バランスが大幅に悪化した場合、大規模停電を回避するため、実施する可能性も否定しない」と述べた。

 電力需給が改善されたのは、13日に揚水式の京極発電所1号機、14日に同2号機が再稼働し、計40万キロワットの供給力を上積みできたからだ。揚水式は電力需要の低い夜間に水をくみ上げ、使用量の多い昼間に水を落として発電する。

 一方、北電の真弓明彦社長は14日、札幌市内で記者会見し、大規模停電が発生したことについて謝罪。原因については「国の検証準備が始まっているのでコメントは差し控える」と述べるにとどめた。

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