翁長雄志・沖縄知事が死去 辺野古移設反対の象徴 知事選9月に前倒し

 がん治療を続けていた沖縄県の翁長雄志知事が8日午後、膵がんのため入院先の浦添総合病院(浦添市)で死去した。67歳だった。翁長氏は7日から意識混濁の状態に陥り、謝花喜一郎副知事が8日から職務を代理していた。知事選は翁長氏の任期満了(12月9日)に伴い11月1日告示、同18日投開票の日程が決まっていたが前倒しされ、9月中には行われる見通し。

 謝花氏の説明によると、翁長氏は4月に切除手術を行った膵がんが肝臓に転移しており、7月30日から浦添総合病院に入院。8月7日から徐々に意識が混濁し始めたという。4日に謝花氏らに対し、意思決定ができない状況になった場合に職務代理者を置くよう指示したという。

 公職選挙法の規定では、知事が死亡などにより任期途中で欠けた場合、県選挙管理委員会への通知後50日以内に知事選が行われる。9月30日投開票(同13日告示)が有力となり、9月23日投開票(同6日告示)も想定される。いずれの日程でも「9月7日告示-20日投開票」が予定される自民党総裁選の日程と重なることになりそうだ。

 知事選をめぐっては、自民党県連などが推す宜野湾市の佐喜真淳市長が出馬の意思を表明している。共産党や社民党、労組などでつくる「オール沖縄会議」は翁長氏擁立を目指すことを決定していたが、翁長氏は態度を明確にしてこなかった。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設に反対する勢力の知事選候補はゼロからの選考を余儀なくされることになる。

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