コミック　『リバーエンド・カフェ（１）（２）』

　宮城・石巻に住む女子高校生のサキは、東日本大震災後のある出来事をきっかけにいじめにあいながら「卒業まであと１年半」とがまんの日々を過ごす。

　ある日、川の中瀬にできたカフェ「リバーエンド・カフェ」を知り、手伝い半分で通うように。一見暴力的だが、憎めないマスター、飼い犬のコタロー、店を訪れる不可思議な老若男女との出会いにサキはやすらぎを覚えはじめる。

　石巻出身の著者が、震災の爪痕が残る街と人々を描く意欲作。１、２巻同時発売で次々登場するエピソードに引き込まれ、今後の展開にも期待させる。（たなか亜希夫著、双葉社・各６２０円＋税）