胡錦濤・前国家主席の長男が政府高官に 地方の市トップから昇格

第20回中国共産党大会の閉幕式で、退席する胡錦濤前国家主席(左から2人目)に肩を触れられる李克強前首相(手前左)。手前右は習近平国家主席=2022年10月、北京の人民大会堂(共同)
第20回中国共産党大会の閉幕式で、退席する胡錦濤前国家主席(左から2人目)に肩を触れられる李克強前首相(手前左)。手前右は習近平国家主席=2022年10月、北京の人民大会堂(共同)

【北京=三塚聖平】中国政府は16日、胡錦濤前国家主席(81)の長男である胡海峰氏(51)を民政省の次官に任命すると発表した。浙江省麗水市のトップを2018年から務めており、今回の人事で中央政府入りする「昇格」(香港紙)を果たした。

胡海峰氏を巡っては、これまでも昇格人事の観測が浮上していたが実現していなかった。香港紙、星島日報(電子版)は「現在、高級幹部子弟の抜擢は非常に厳しくなっている」と指摘している。

中国の交流サイト(SNS)では、胡海峰氏の人事に関する投稿の表示が制限されているもようだ。中国では貧富の格差が拡大しており、中国共産党幹部の子供が特権階級化しているという批判が高まりやすいため、当局の意向を受けて投稿が規制されている可能性がある。

胡海峰氏は、中国の名門校の清華大と関係する企業などを経て、13年に浙江省嘉興市の共産党委員会副書記に就任した。

父親の胡錦濤氏は、22年10月の共産党大会の最終日に途中退席してから、ほとんど公の場に姿を見せていない。

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