群馬テレビ社長解任「9割以上の取締役が賛成」 群馬県知事が明らかに「社員の危機感が動かした」

群馬テレビ社長解任について語る山本一太知事=5日、群馬県庁
群馬テレビ社長解任について語る山本一太知事=5日、群馬県庁

昨年12月22日、群馬テレビ(前橋市)の取締役会で解職決議案により武井和夫社長が解任されたことについて筆頭株主でもある群馬県の山本一太知事は5日、「取締役会の9割以上が賛成に回った」ことを明らかにしたうえで、「この事実が、すべてを物語っている」と語った。定例会見で質問に答えた。

事態が動いたことについて、山本知事は「群馬テレビの職員のみなさんが報道されているような社長の発言やさまざまな人事異動に対し、『このままでは会社が持たない』と強い危機感を持って動いたことが全体を動かした」「相当な覚悟だったと思う。それで取締役も現状の体制では失われた信頼は取り戻せないと判断した」などと語った。

武井社長をめぐっては、60人ほどの社員の人事異動を3年間に計25回、延べ約120人余りについて行ったなどとして、同社の労働組合(前島将男委員長)が10月、県労働委員会に救済を申し立てた。これを受け、県や群馬銀行などの社外取締役も加わった暮れの取締役会で電撃的に解任が決まり、後任に専務取締役兼報道局長の中川伸一郎氏が就任した。

山本知事は「そもそも報道を担うメディアのトップとして、あってはならない発言だった。実際『スポンサー契約をしていない市町村には(取材に)行く必要はない』と言われた首長たちは報じられている(懸念や心配という)以上に怒っていた」と批判、信頼が落ちていたことを強調した。

そして、解任劇を「関係者の苦渋の決断だったと思う」としたうえで、「メディアですから、報道に対し県として関与するつもりはない。ただ、スポンサーとしては、まず労使関係を改善して体制を整え、きちんと立て直してほしい。県民の多くが、そして私もそう願っている」と語った。

群馬テレビ問題で山本知事が事情聴取

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