【ワシントン=坂本一之】米海軍は3日、イスラエルに近い東地中海に派遣した2つの空母打撃群で演習を実施したと発表した。バイデン米政権は、イスラエル軍とイスラム原理主義組織ハマスの戦闘がイランや親イラン勢力の介入で広域紛争に拡大しないよう中東地域に展開する米軍を増強。演習を通して即応態勢が整っていることを示し、親イラン勢力などを牽制(けんせい)する狙いがあるとみられる。
演習は3日間で、米海軍の最新鋭原子力空母「ジェラルド・フォード」と空母「ドワイト・アイゼンハワー」をそれぞれ中核とする2つの空母打撃群やイタリア海軍の艦船が参加した。弾道ミサイル防衛や洋上補給、艦載機の訓練などを実施した。
米海軍は、東地中海に2つの空母打撃群が展開していることに関し「いかなる不測の事態にも機敏かつ断固として対応するわれわれの能力を示す」とした。
一方、ロイター通信によると、レバノンの親イラン民兵組織「ヒズボラ」の指導者ナスララ師は3日の演説で、空母を派遣した米軍への対抗姿勢を示しイスラエルを支援する米国を批判した。