59年ぶりの関西対決は「なんば線シリーズ」 ファンもノリノリ史上3番目の近隣決戦

阪神甲子園球場(左、兵庫県西宮市)と京セラドーム大阪(大阪市)
阪神甲子園球場(左、兵庫県西宮市)と京セラドーム大阪(大阪市)

プロ野球の日本シリーズが28日に開幕。今季は阪神、オリックスがリーグ制覇、クライマックスシリーズ(CS)突破を果たし、59年ぶりの関西勢同士の激突となった。前回は1964年の南海-阪神。それぞれの本拠地、大阪球場(大阪市、88年限りで南海はダイエーに身売り、福岡市の平和台に移転)と甲子園球場(兵庫県西宮市)の直線距離は約14・5キロ。今回、甲子園とオリックス本拠地の京セラドーム大阪(大阪市)の距離は約12キロ。セパ両チームの本拠地の近さでは史上3位に躍り出た。

59年前はそれぞれの親会社のターミナル駅がある難波と梅田を結ぶ大動脈にちなみ「御堂筋シリーズ」と呼ばれた。今回は甲子園最寄りの甲子園駅、京セラドーム最寄りのドーム前駅は阪神本線、なんば線を使って乗り換えなしで行けることから「なんば線シリーズ」ともいわれている。

両駅の鉄道での距離は13・4キロ。快速急行に乗れば、20分もかからない。日本シリーズの開催要項を見ると、第2戦と第3戦の間、第5戦と第6戦の間は「移動日」とされているが、ファンの間では「移動日はいらないのでは」「休養日でいいのでは」という声が挙がっている。阪神の岡田監督は「ご近所シリーズ」について「球団もええんちゃうか。交通費も宿泊費もいらんし。ホテル代もかからん。えらい安いで」と経費削減を指摘した。

現在、セパ両球場を乗り換えなしで移動できるパターンは、ロッテが本拠地とするZOZOマリンスタジアム(千葉市)のアクセス駅をJR総武線の幕張本郷駅とした場合、水道橋駅下車で巨人の東京ドーム(東京都文京区)、信濃町駅下車でヤクルトの神宮球場(同新宿区)が考えられるが、各駅停車で50分ほどかかり、甲子園と京セラドームほど近さは感じない。

「なんば線シリーズ」より近い史上2位の「ご近所」は70年の巨人-ロッテ。巨人本拠地の後楽園球場(同文京区)とロッテの東京スタジアム(同荒川区、72年で閉鎖)の約5キロ。1位はゼロ。81年はともに後楽園をホームとする巨人と日本ハムが激突したからだ。当時「後楽園シリーズ」と呼ばれた。最も遠距離は約1230キロ。2016年は札幌ドーム(札幌市、22年限りで日本ハムは北海道北広島市のエスコンフィールドに移転)がホームの日本ハム、マツダスタジアム(広島市)が本拠地の広島が対戦した。

オリックス前身の阪急時代、阪神との日本シリーズが実現していたらどうだったか。阪急が本拠地とした西宮球場(兵庫県西宮市、1990年限りでオリックスはグリーンスタジアム神戸=現ほっともっと=へ移転)と甲子園はわずか約2・5キロ。「西宮ダービー」なら、徒歩で移動できたのだ。

日本シリーズで「阪神なんば線」注目 沿線価値向上も

会員限定記事会員サービス詳細