群馬テレビ労組の救済申し立て「事実なら問題」と山本知事

群馬テレビ労組の申し立てについて語る山本一太知事=19日、群馬県庁
群馬テレビ労組の申し立てについて語る山本一太知事=19日、群馬県庁

群馬県のローカルテレビ局・群馬テレビ(前橋市)の労働組合が社長の不当な人事発令や業務指示について県労働委員会に救済を申し立てた問題で、山本一太知事は19日の定例会見で、「報道ベースでしか把握していない」と断った上で、「仮に事実とすれば、問題がある」と語った。

申立書などによると、群馬テレビでは、武井和夫社長の独断で業務実態を無視した人事異動が毎月のように行われて現場に混乱を招いほか、経費削減を理由に番組制作の請負企業やフリーランスとの契約を一方的に停止、同社長が「スポンサーではない自治体や企業に取材に行く必要はない」などと指示し、報道機関としての責任を放棄したとしている。

救済を申し立てた組合の前島将男執行委員長によると、組合は改善を求め会社側と団体交渉を行ってきたが、誠実な姿勢は見られず「もはや状況は限界に達しており、群馬テレビ本来の姿を取り戻すためには武井社長の退任が必要」などとコメントしている。

群馬テレビの筆頭株主である県の対応を問われた山本知事は、申立書の内容に「ちょっと、びっくりした」と語り、「県労働委員会に申し立てた案件なので知事としてのコメントは差し控えたい」としながらも「本当に言ったのであれば、テレビの公共性や報道機関として非常に問題のある発言だと思う」とした。

筆頭株主として群馬テレビへの役員派遣や他の株主と対応を協議する考えを質されると、「組合の方々は株主にも説明したいと言っているし、県の担当部署にも話したいということなので、それをしっかり聴き、県として対応を検討したい」と語った。

組合の申し立てについて群馬テレビでは「組合とは誠意をもって話し合いをしてきたと認識している。状況に応じて適切に対応したい」としている。

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