鑑真さんのお堂よみがえる 6月に落慶法要、唐招提寺

唐招提寺の御影堂(重文)で行われていた大修理が完了し報道陣に公開された=6日午後、奈良市(前川純一郎撮影)
唐招提寺の御影堂(重文)で行われていた大修理が完了し報道陣に公開された=6日午後、奈良市(前川純一郎撮影)

奈良時代に中国・唐から来日し唐招提寺(奈良市)を開いた僧、鑑真和上(がんじんわじょう)の坐像(ざぞう)(国宝、奈良時代)を安置する同寺御影(みえい)堂(重要文化財)の大修理が完了し、同寺が6日、報道陣に公開した。今後、別施設に移していた和上坐像を約6年ぶりに安置し、6月5日に落慶(らっけい)法要、同6、7日に特別拝観を予定している。

御影堂(約540平方メートル)は江戸時代の建築で、もとは興福寺(奈良市)にあった寺院・一乗院の建物。明治以降は県庁や裁判所の庁舎に使われ、昭和39年に唐招提寺に移築。和上坐像が安置された。

だが、建物は地盤沈下と雨漏りが目立つ状況だったため、和上坐像を別施設に移した上で平成29年度から修理に着手した。曳家(ひきや)と呼ばれる工法で建物をそのまま約30メートル移動させ、建物の下にある杭などの基礎工事を実施。銅板葺(ぶ)き屋根の葺(ふ)き替えなどを行った。

唐招提寺の御影堂(重文)で行われていた大修理が完了し報道陣に公開された=6日午後、奈良市(前川純一郎撮影)
唐招提寺の御影堂(重文)で行われていた大修理が完了し報道陣に公開された=6日午後、奈良市(前川純一郎撮影)

今後は和上坐像とともに日本画家、東山魁夷(かいい)が描いた襖(ふすま)絵も戻す。落慶法要は新型コロナウイルス感染対策で関係者のみの参列とし、特別拝観は4月30日までに事前予約した各250人を対象とする。岡本元興(げんこう)長老は「国宝の和上坐像と襖絵に影響がないよう修復でき喜ばしい」と話した。

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