ホンジュラス、前大統領を拘束　麻薬取引に関与の疑い

【ニューヨーク＝平田雄介】中米ホンジュラスの裁判所は１５日、米国からの麻薬取引や武器使用に関する容疑での身柄引き渡し要請を受けて、エルナンデス前大統領（５３）の拘束命令を出した。ホンジュラスの警察当局は同日、エルナンデス氏を拘束した。ロイター通信が伝えた。同氏は２０１４年から２期８年務めた大統領職を１月２７日に退任したばかり。

エルナンデス氏は１５日、手錠や足枷をかけられ、首都テグシガルパの自宅から連行された。同氏は０４～２２年にかけて、コロンビアやベネズエラから数十トンのコカインを米国に送る違法取引に関わった疑いが持たれている。大統領在任中は麻薬組織から数百万ドルを受け取る見返りに、組織の関係者の捜査や訴追から逃れさせていたという。

前大統領の弟も麻薬取引などの罪に問われ、米ニューヨークの裁判所で昨年３月、終身刑の判決を受けている。この際、米検察は麻薬取引にはホンジュラス国家が関わっていると指摘していた。