2審も新潮社に賠償命令 元オウム信者の名誉毀損

 平成7年の地下鉄サリン事件の殺人容疑で不起訴処分となった元オウム真理教信者の菊地直子さん(49)が、週刊新潮の記事で名誉を傷つけられたとして、発行元の新潮社などに165万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は2日、1審に続き名誉毀損(きそん)を認め、新潮社側に計55万円の支払いを命じた。

 問題になったのは、24年6月14日号と27年5月7・14日号の記事。24年の記事は菊地さんが地下鉄事件に関与し、有罪になるとの前提に立った内容で、不起訴や無罪になる可能性について記載していなかった。

 高橋譲裁判長は「菊地さんがサリンと認識しながら製造に関与したとの印象を与える。関与したとしても、サリンとの認識がなければ有罪とならない可能性があることは理解していたはずだ」と指摘した。

 1審東京地裁は昨年7月、33万円の支払いを命じていた。

会員限定記事会員サービス詳細