上野愛咲美扇興杯、囲碁本戦で対男性に勝利ならず

第47期天元戦の1回戦で、上野愛咲美扇興杯(左)は柳時熏九段に敗れ、女性2人目の本戦勝利を逃した
第47期天元戦の1回戦で、上野愛咲美扇興杯(左)は柳時熏九段に敗れ、女性2人目の本戦勝利を逃した

 囲碁の女流タイトル「扇興杯」を保持する上野愛咲美(あさみ)四段(19)が1日、東京都千代田区の日本棋院で行われた第46期天元戦の1回戦で、柳時熏(りゅう・しくん)九段(49)と対局したが敗れ、女性2人目となる本戦勝利を逃した。七大タイトル戦の予選を勝ち抜いた女性棋士には小林泉美六段(43)らがおり、上野が11人(のべ14例)目。平成31年の第45期天元戦で、藤沢里菜女流本因坊(22)が勝ったのが、これまで女性棋士の本瀬での唯一の白星だった。

 上野扇興杯は対局後「序盤に悪くしたが、途中でゴチャゴチャして(差が縮まって)考えるのが楽しくなった」と上野節で振り返ったあと、「少し足りないと思ったときはショックだった」と苦笑いを浮かべていた。

 プロ33年目の柳九段は王座、天元などタイトル獲得8期の実績をもつ実力者。「上野さんが強いことはみんなわかっている。今回は私が邪魔したが(将来、七大)タイトルを取れるところまでいってほしい」とエールを送っていた。

 令和元年には、全棋士に参加資格のある「第28期竜星戦」で準優勝している上野扇興杯。35人により争われている本戦で5戦全勝なら、一力遼天元(23)への挑戦権を獲得できた。

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