緊急走行中に男児はね死なせる 警視庁、巡査部長を懲戒処分

警視庁=東京都千代田区
警視庁=東京都千代田区

 東京都千代田区麹町の国道交差点で昨年8月、青信号で横断歩道を渡っていた男児=当時(4)=が緊急走行中のパトカーにはねられ死亡した事故で、警視庁は9日、パトカーを運転していた新宿署の男性巡査部長(52)を減給100分の10(6カ月)の懲戒処分にした。巡査部長は同日、依願退職した。同乗の男性巡査長は所属長注意としたという。

 警視庁などによると、巡査部長は昨年8月18日午前、薬物事件の証拠品鑑定のため千代田区の警視庁本部に向かってパトカーで緊急走行中、麹町の交差点で男児をはねた。男児は頭を打って重体となり約1カ月後に死亡した。巡査部長は、交差点の直前で減速したが、十分な確認をしないまま加速し、横断歩道を歩いていた男児をはねたという。

 麹町署が昨年11月、自動車運転処罰法違反(過失致死)容疑で巡査部長を書類送検。今年6月に同罪で起訴され、東京地裁が今月、禁錮2年6月、執行猶予3年の判決を言い渡した。

 警務部の宮島広成参事官は「被害者のご冥福を心からお祈りする。緊急走行時の安全確保について指導、教養を推進していきたい」などとコメントした。

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