勝手に大文字点灯 先祖の霊送る行事「なんてことを」関係者憤慨

山肌に浮かび上がった「大」の文字=8日午後11時ごろ、京都市左京区(提供写真)
山肌に浮かび上がった「大」の文字=8日午後11時ごろ、京都市左京区(提供写真)

 五山送り火の大文字で知られる京都市左京区の如意ケ嶽(大文字山)で8日深夜、「大」の文字がライトのようなもので浮かび上がっていると京都府警に通報があった。インターネット上では「うれしいサプライズ」など好意的な書き込みもみられたが公式なものではなく、五山送り火は先祖の霊を送り出す行事のため、関係者は「なんてことを」と憤慨している。

 京都府警などによると、点灯されていたのは同日午後11時ごろから同50分ごろまで。如意ケ嶽は大文字保存会などの私有地だが入山規制などはない。

 五山送り火は、毎年8月16日、盆に迎えた先祖の霊を送り出し、無病息災を祈る伝統行事。今年は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため護摩木を燃やす場所を大幅に減らし、文字が浮かび上がらないようにすることを決めていた。

 京都五山送り火連合会会長で大文字保存会の長谷川英文理事長(75)は「お精霊(しょらい)さん(先祖の霊)をお送りする日が近づいているというのに、なんということをしてくれた」とし、今年の五山送り火の開催の有無や如意ケ嶽の入山規制について「連合会で協議する」としている。

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