関西空港 国際線受け入れ能力を4千万人に 万博までに

関西国際空港第1ターミナルの改修計画の概要
関西国際空港第1ターミナルの改修計画の概要

 関西国際空港を運営する関西エアポートは12日、大阪・関西万博が開幕する令和7年春までに空港全体での国際線旅客の受け入れ能力を、現在の年間3千万人から4千万人に引き上げる計画を発表した。現在、インバウンド(訪日外国人客)の急増で受け入れ能力の限界を迎えている。主力の第1ターミナルを改修して、国際線施設の大幅増強を行い、対応する考え。

 計画によると、国際線のビル内面積を25%増やす。2階の国内線エリアを国際線エリアに改修し、出国審査後の免税店や飲食店などのエリアも60%拡大。帰国する訪日客が過ごしやすい空間になる。

 また、4階の国際線保安検査場を増床するとともに、入国・出国審査場を3階に集約。保安検査場では手荷物を自動で流す「スマートレーン」を多数配置して国際線利用者がスムーズに移動できるようにする。

 第1ターミナルの改修費は、地下にあった電気設備を地上に移設するなどの防災対策費なども含めて約1千億円となる見込み。

 関西エアの平成30年度の国際線旅客数は2289万人で過去最高を更新。さらに今後は、万博の開催に加えて大阪湾の人工島・夢洲(大阪市此花区)へのカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致も控えている。

 関空を利用する旅客の増大が見込まれ、早期に関空の受け入れ能力を強化し、乗り継ぎ拠点の「ハブ空港」として成長を続けるアジアの空港との競争にも備える。記者会見した関西エアの山谷佳之社長は「今年度で(国内線を含む)総旅客数が3千万人を達成すれば、次の目標は5千万人。そこに向けて大きな一歩を踏み出す」と話した。

会員限定記事会員サービス詳細