西部邁さん自殺幇助で有罪判決 無罪主張のMXテレビ子会社元社員に

 評論家の西部邁(すすむ)さん=当時(78)=の自殺を手助けしたとして、自殺幇助(ほうじょ)罪に問われた東京MXテレビ子会社元社員、窪田哲学被告(45)の判決公判が14日、東京地裁で開かれた。守下実裁判官は「自殺を心理的、物理的に容易にした」として懲役2年、執行猶予3年(求刑懲役2年)を言い渡した。

 窪田被告は「入水はご自分のご意志で動いた」として、無罪を主張していた。

 守下裁判官は、西部さんから依頼を受け、自殺の際に使用した安全ベルトを準備し、当日に車で現場まで送ったことなどから自殺幇助に該当すると認定。「幇助行為の重要部分を担った」とする一方、「被告が協力したのは西部さんからの働きかけが大きい」として執行猶予付き判決が相当とした。

 判決によると、窪田被告は西部さんの知人の男(54)=同罪で有罪確定=と共謀し、1月21日、西部さんを多摩川に車で連れて行き、安全ベルトなどを装着。入水させ、溺死による自殺を手助けした。

 窪田被告は東京MXテレビから子会社に出向し、西部さんが司会を務める同局の番組のディレクターを務めていた。

 東京MXテレビは「このような事態が生じたことは誠に遺憾で、関係者、視聴者の皆様に深くおわびし、社員への指導・教育を徹底していく」とのコメントを発表した。

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