台風21号の影響で連絡橋にタンカーが衝突し、多くの利用客らが取り残されていた関西国際空港では、空港内で孤立していた人々をバスや高速船で輸送する作業が6日早朝から再開された。バスを待つ行列には、空港内で働き、対応に奔走してきた従業員の姿が。台風被害が大きかった大阪府内から通勤している人々は、家族や自宅の様子を気にかけながら家路に就いた。
「いつ自宅に帰ることができるのか、今のところめどは立っていない」
早朝から利用客への対応に追われていた、空港関連会社に勤める40代の男性は疲れをにじませた。
男性は台風21号が近畿地方に接近する前の4日朝から空港内で勤務。携帯電話の通信状態が悪いため、家族とも十分に連絡が取れていないという。
「職場の同僚たちにも疲労がたまっている。みんな帰りたいのはやまやまだが、空港に取り残された利用客への対応が最優先」と前を向いた。
大阪航空局に勤務する航空管制官の黒田尚伸さん(53)も台風以降、初めて神戸市中央区の自宅に帰ることに。台風が来た4日から、関空への航空機の発着はなかったが、周辺空港の管制業務や、浸水などの被害で故障した機材の復旧に追われたという。