ナイジェリアで繰り返される女子生徒拉致 2月にも110人、ボコ・ハラムか

 【カイロ=佐藤貴生】ナイジェリア北東部ヨベ州ダプチで2月中旬、女学校が武装集団に襲われ女子生徒110人が行方不明になった事件で、同国政府は周辺国に範囲を広げて探しているが、消息はつかめていない。イスラム過激派「ボコ・ハラム」が拉致したとみられ、2014年に北東部ボルノ州で女子生徒270人以上が同組織に誘拐された事件の二の舞になるとの懸念が広がっている。

 事件は2月19日に起きた。英紙ガーディアン(電子版)などによると、ダプチの学校が武装集団に襲われた際、軍服姿の男らが「われわれはボコ・ハラムではなく兵士だ。助けてやる」と逃げ惑う女子生徒たちを車に乗せ、そのまま連れ去った。車には「アッラーは偉大なり」と書かれており、拉致されたと気づいた生徒らは泣き叫んで助けを求めたという。

 ロイター通信は、政府がニジェールやチャドなど周辺国に範囲を広げ、生徒らを捜索していると伝えた。

 政府やヨベ州当局は当初、生徒たちは「拉致されておらず隠れていた」「数十人は救出された」などと述べていたが、その後、110人が行方不明のままだと訂正。英BBC放送(電子版)によると、14年に270人以上が拉致された事件直後にも、軍や政府が拉致の事実を否定した経緯があり、地元では政府の態度や情報の不備に対する不満が高まっている。

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