老舗あり

秋田市 菓子舗榮太楼 大鵬、東海林太郎との縁 オリジナル銘菓主軸に 

【老舗あり】秋田市 菓子舗榮太楼 大鵬、東海林太郎との縁 オリジナル銘菓主軸に 
【老舗あり】秋田市 菓子舗榮太楼 大鵬、東海林太郎との縁 オリジナル銘菓主軸に 
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 秋田の菓子舗榮太楼は創業134年、東京・日本橋の老舗菓子舗、榮太樓總本鋪の「遠縁」にあたる。

 始まりは明治16(1883)年、初代の高橋長左衛門が秋田産のフキの砂糖漬けを売り出したこと。場所は現在、基幹店の大町店がある秋田市中心部を流れる旭川のそば。「榮太樓總本鋪も東京の日本橋川のそばにある。そんな縁で初代が『榮太楼』を名乗らせていただけるよう頼んだそうです」と7代目の小国輝也社長(54)。ただし経営は全く別。秋田県産のヤマブドウ果汁を使ったゼリー「さなづら」など、扱う菓子は全てオリジナル商品だ。

 小国家がのれんを引き継いで以降、順調に事業を拡大するが、太平洋戦争の統制で菓子製造中止を余儀なくされる。経営多角化のため戦後、小国家の別荘だった屋敷を改装した「旅館榮太楼」を開業する。再開した菓子づくりとともに事業を切り盛りしたのが、輝也社長の祖母で、「秋田三大女傑」の一人といわれたキセだった。「さなづら」を昭和天皇にお買い上げいただく名誉も得た。

 旅館榮太楼は大相撲巡業の宿舎としても使われた。横綱大鵬(1940〜2013年)が宿泊、輝也社長の姉、芳子さん(70)を見初めて結婚が決まる。「祖母は姉に後を継がせたかったようですが、僕になりました」と輝也社長。

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