北朝鮮情勢

「北に対話の意思なし」 米国務省報道官、対話のチャンネル存在は確認

 【ワシントン=黒瀬悦成】米国務省のナウアート報道官は9月30日、声明を発表し、米国が核・弾道ミサイル開発を続ける北朝鮮の金正恩体制と「意思疎通ができる複数のチャンネルを確保している」と述べた。

 声明に先立ち、中国訪問中のティラーソン米国務長官が30日、北京で記者団に、北朝鮮側と接触して対話の意思があるのか探っていると語っていた。

 ナウアート氏はその上で、「米国が(北朝鮮の)体制崩壊の促進や政権転覆の追求、朝鮮半島の統一の加速化や軍事境界線の北側への侵攻に関心がないと断言しているのに、北朝鮮の当局者らは非核化に関する対話への関心も、対話の用意がある様子も示していない」と語り、現時点で北朝鮮は対話に興味がないとの見方を強調した。

 トランプ政権が北朝鮮と核問題に関して直接やりとりしていることを明らかにするのは初めて。

 日米韓が「対話より圧力」の構えを打ち出しているタイミングでティラーソン氏らが米朝接触に言及したのは、米朝首脳による非難合戦が激化する中、両国間で意思疎通の手段が維持されていることを示すことで緊張を和らげる効果を狙ったとみられる。

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