トランプ政権100日

外交・安保、シリア攻撃で明確メッセージ 

 「米国第一」を掲げるトランプ大統領は孤立主義外交への道を突き進むのでは、とした国際社会の懸念は、59発の巡航ミサイルで一掃されたかにみえる。

 トランプ政権が4月6日、自国民に化学兵器を使用したシリアのアサド政権に対して決行したミサイル攻撃は、米国が「大量破壊兵器の使用」という国際安全保障秩序と人道の両面での重大な違反を決して見過ごさない、という明確なメッセージを発した。

 こうした行動は、世界秩序を導く立場として米国が国際情勢に能動的に介入していくべきだとする、伝統的な共和党主流派の外交政策への回帰を意味する。

 大統領選の期間中、ロシアのプーチン強権体制との融和姿勢を示していたトランプ氏は、今回の攻撃でシリアの後ろ盾であるロシアとの対立も辞さない構えを鮮明にした。

 また、シリア攻撃が実行されたそのときにフロリダ州で夕食を共にしていた中国の習近平国家主席からは、核・ミサイル開発を放棄しようとしない北朝鮮に圧力をかけるとの約束を取り付けた上で、米海軍の空母打撃群を朝鮮半島方面に向かわせ、北朝鮮を圧迫した。

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