蜂蜜にボツリヌス菌 男児死亡で改めて注意喚起「1歳未満の乳児に与えないように」

1歳未満の乳児に与えないよう警告表示がある蜂蜜。他の表示に埋もれ、気付きにくいとの指摘もある(一部画像処理しています)
1歳未満の乳児に与えないよう警告表示がある蜂蜜。他の表示に埋もれ、気付きにくいとの指摘もある(一部画像処理しています)

 離乳食で蜂蜜を摂取していた東京都内の生後6カ月の男児が先月末、「乳児ボツリヌス症」で死亡した。蜂蜜は乳児ボツリヌス症を発症する可能性があることから、1歳未満の乳児に与えないよう母子手帳に記載がある。しかし、このことを知らない人も少なからずいるのが現状で、厚生労働省は改めて注意喚起している。(平沢裕子)

健康イメージ

 東京都によると、死亡した男児は、市販のジュースに蜂蜜を混ぜて1日2回、約10グラム与えられていた。生後5カ月だった2月にけいれんや呼吸不全などの症状が出て入院、3月30日に死亡した。都は今月7日、死亡を乳児ボツリヌス症によるものと断定。

 死亡事故を受け、厚生労働省は、1歳未満の乳児に蜂蜜を与えないよう、全国の自治体に対し注意喚起を求める通知を出した。同様の通知は昭和62年にも出され、母子手帳などで注意喚起されている。30以上の発症例が報告されているが、死亡例は初めて。

 家族は蜂蜜を乳児に与えてはいけないことを知らなかったといい、「栄養豊富で健康にいいと思った」と話しているという。

 蜂蜜は「おいしくて栄養価が高い」「抗菌や保湿の効果もある」などの健康イメージから女性の間で人気が高く、この数年の消費量は年間約4万トンにのぼる。

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