「WelcomeKyotoProject」。観光団体のキャッチフレーズではなく、京都府警が今年から取り組み始めたミッションの名称だ。国際観光都市・京都だけに、インバウンド(訪日外国人観光客)がらみの相談やトラブルが多数、警察に寄せられ、これに対処することは急務となっている。英語を話せる警察官を「おもてなし通訳人」に任命、祇園に「外国語交番」を設置し、独自に英会話教室を開催する警察署も配置するなど、警察挙げての国際化を進めている。(小川恵理子)
流暢な英語で
「IwanttogotoHanamikouji.(花見小路に行きたい)」
ある日の午後、八坂神社(京都市東山区)前の祇園交番に、地図を手にしたオーストラリア人女性が飛び込んできた。「2つ目の信号を左に曲がって…」。前田晃宏巡査(27)は流暢(りゅうちょう)な英語で説明する。
しばらくすると、交番近くで外国人旅行者による自転車事故が発生。倉田法武巡査部長(38)は現場に駆けつけると、坂道で転倒したという女性に「けがはないですか。パスポートはありますか」などと呼びかけた。もちろん英語だ。