校舎解体工事でアスベスト被害の不安 住民ら業者と西宮市を提訴

 大学校舎の解体工事でアスベストの飛散対策がなされず将来の健康被害への不安などの精神的な苦痛を受けたとして、兵庫県西宮市甑岩町の旧夙川学院短大の周辺住民ら38人(4~81歳)が27日、開発業者や市などに対し、総額190万円の損害賠償を求める訴訟を神戸地裁に起こした。

 訴状によると、平成25年6月~26年3月、大阪市中央区の開発業者から委託を受けた解体業者が意図的にアスベストの存在を隠し、飛散対策を取らないまま校舎全11棟のうち10棟で解体工事を行った。

 しかし、住民の調査で校舎内の空調ダクトパッキングでアスベストが見つかったにもかかわらず、市が対策を講じなかったことでアスベストが周辺に飛散したなどと主張。「健康被害に対して不安を抱え続けて生活しなければならず、多大な精神的苦痛を受けた」として1人あたり5万円の慰謝料を求めている。

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