名画のパロディーに「ニヤリ」 漫画家の秋竜山さん、相模原で作品展

 ナンセンス漫画の嚆矢(こうし)として知られる漫画家、秋竜山さん(74)=本名・秋山好文=の作品展「名画を笑うな」展が4日、相模原市中央区のギャラリー誠文堂で始まる。世界の名画をパロディー漫画にした作品を集めたもので、秋さんは「世界の名画を茶化(ちゃか)した作品。クスッと笑ってもらえれば」と話している。16日まで。(柏崎幸三)

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 海外の雑誌で名画がパロディーの対象となっていることからヒントを得て、独自のユーモアを加えて漫画化することを思い立った。

 ミレー、モネ、ピカソ、ドラクロワなど世界的に著名な画家の作品を題材に、色紙に水彩絵の具を使って1点ずつ丁寧に描いた。「まずは原画を1点ずつ、1ミリもずらすことなく描き、パロディー漫画化した」

 ミレーの「落ち穂拾い」を題材にしたものは、落ち穂を拾う人々の間に掃除機を持つ男性が割り込み、落ち穂をかき集める姿を加えた。

 ムンクの「叫び」では、叫ぶ人の背後にコミカルな男性コンビが叫び声を上げる姿を描き入れた。また、ドラクロワの「民衆を導く自由の女神」は、民衆に呼びかける女神が胸をあらわにするなど、鑑賞者に思わず「ニヤリ」とさせる秋さん流の遊び心が随所にあふれている。

 秋さんは「みんなが知っている名画だからパロディーにして面白いし、模写では作品にならない」としたうえで、「ナンセンス漫画は、『無意味な漫画』ではなく、見た人を驚かせる漫画なんです。笑ってもらおうという思いで描いた」と話す。

 同展は、秋さんが6月17日に第45回日本漫画家協会文部科学大臣賞を受賞した記念展も兼ねる。相模原市中央区中央のギャラリー誠文堂で、午前10時(土曜日は午後1時)~午後6時(最終日は午後5時まで)。10日は休廊。入場無料。

 問い合わせは、ギャラリー誠文堂(電)042・756・3178。

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