関空、営業益で成田、羽田を上回り日本一に…LCC誘致成功、爆買い誘う店舗も充実

4月末に関空第1ターミナル2階にオープンした「エビスバー」(寺口純平撮影)
4月末に関空第1ターミナル2階にオープンした「エビスバー」(寺口純平撮影)

 新関西国際空港会社が24日発表した平成28年3月期連結決算は、本業のもうけを示す営業利益が前期比34%増の592億円で過去最高となった。かつて関西国際空港は利用が低迷したが、格安航空会社(LCC)のハブ(拠点)にする戦略で中国や韓国からの旅客獲得に成功。営業利益が関空単体で初めて成田空港会社を上回ったほか、羽田空港のターミナルビル運営会社にも水をあけており、「日本一稼げる空港」へと飛躍した。

 新関空会社は今年3月まで関空と大阪(伊丹)空港を運営していた。売上高にあたる営業収益は前期比20%増の1845億円、最終利益は50%増の294億で、いずれも過去最高。

 関空単体の営業利益は41%増の460億円で、成田の433億円を上回った。羽田は着陸料などを国が管轄するため単純比較はできないが、ターミナルビル運営会社の営業利益は113億円。利益の規模は関空に及ばない。

 関空の外国人旅客数は57%増の1100万人で、国際線全体の64%を占める。「爆買い」の恩恵で、免税店など商業事業の営業収益は50%増の647億円となり、関空全体の45%を占めた。

 関空の発着回数は17%増の16万9千回。このうち国際線は、中国や韓国を中心に新規就航や増便が相次ぎ、25%増の11万9千回となった。LCCは80%増と大幅に伸び、旅客便に占める割合は30%を超えた。アジアのネットワークを充実させる関空の経営戦略が奏功し、中国、韓国、台湾、香港からの入国者で成田を上回った。

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