スクリーン雑記帖・予告編つき

小松菜奈の体張った演技に拍手! 胸を揉まれ、びんたされ…衝撃作「ディストラクション・ベイビーズ」

【スクリーン雑記帖・予告編つき】小松菜奈の体張った演技に拍手! 胸を揉まれ、びんたされ…衝撃作「ディストラクション・ベイビーズ」
【スクリーン雑記帖・予告編つき】小松菜奈の体張った演技に拍手! 胸を揉まれ、びんたされ…衝撃作「ディストラクション・ベイビーズ」
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今回はモデルでもある女優の小松菜奈(20)について書く。長編映画デビュー作「渇き。」(中島哲也監督)で小悪魔的な女子高生を演じて話題を集めてから約2年。今年を代表する日本映画の1本になるであろう「ディストラクション・ベイビーズ」(21日公開)での体を張った演技にはうならされた。

舞台は愛媛県松山市。通行人にけんかを売って生きているストリートファイターの青年・泰良(たいら、柳楽優弥)と、彼に共鳴する高校生・裕也(菅田将暉)の2人による「けんか道中記」だ。全編を通して繰り広げられるリアルなけんかシーンは、北野武監督のデビュー作「その男、凶暴につき」(1989年)の暴力場面で受けた衝撃をほうふつとさせる。むき出しのナイフのような柳楽のたたずまいには戦慄さえ覚えた。メガホンをとった真利子(まりこ)哲也監督が2012年にミュージックビデオの撮影のため訪れた松山市で、バーのマスターから聞いた実話が基になっている。

「北野監督の初期の映画を見た印象をお客さんに与えられたらと思った。でも同じことやってもかなわないので、北野映画の後の映画として何ができるかを考えた」と真利子監督。そこで参考にしたのが動画サイトに投稿されている本物のけんかの光景だった。「やばいんですよ。あの感じを出せるかなとかなり勉強して、カメラワークも決めていった」と明かす。

「人生で初めて髪の毛を染めた」という小松が演じたのは、キャバクラで働く少女・那奈。泰良と裕也が強奪した車に乗り合わせていた彼女は後部座席に押し込められ、逃避行の道連れになる。

那奈は裕也にむんずと片方の胸をわしづかみにされ、何度もびんたされる。さらに運転を任された車で農夫をひいてしまう。

「体を張った演技でしたね」と真利子監督に言うと、「クランクアップのときに『こんなに大変だった現場はなかったです』と泣いていた」と苦笑しながら撮影秘話を明かしてくれた。小松は撮影中、「孤独感や恐怖を感じていた」という。

裕也にびんたされる場面の撮影について、真利子監督は「脚本上は『平手打ちをする』と書いてあるだけで『1発で』とは書いていない。何発くるか分からないという恐怖心から、小松さんはすごく怖かったと思う」と語る。実際にたたいているのかと尋ねると、「たたいているらしいんですよ。ただ僕もカメラの後ろにいるので分からない。小松さんと菅田君がコミュニケーションをとってくれて、『遠慮していたら中途半端になるから、いつまでたっても終わらないし当てるね』という会話を聞いたような気がします」という。

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