パナマ文書の衝撃

アイスランド首相が正式に辞任 巨額投資疑惑

 【ロンドン=岡部伸】現地からの報道によると、タックスヘイブン(租税回避地)を巡る「パナマ文書」報道で、巨額投資疑惑が持たれているアイスランドのグンロイグソン首相が7日、グリムソン大統領に会い、正式に辞任した。パナマ文書報道で国家指導者が辞任したのは初めて。

 後任にはヨハンソン漁業・農業相が指名され、同日就任が了承された。新政権は来年予定されていた総選挙を今秋にも前倒しで実施する。

 「パナマ文書」の報道後、首都レイキャビクの議会前では、グンロイグソン氏の「財産隠し」を批判する市民らが首相辞任と総選挙前倒しを求めて連日デモを繰り返し、同氏は5日辞意を表明していた。

 グンロイグソン氏は、租税回避地として知られる英領バージン諸島の法人を取得し、巨額の資産を運用した疑惑が「パナマ文書」で浮上。議員就任時にこうした資産状況を公表していなかった。

会員限定記事会員サービス詳細