中国がガンビアと国交回復 台湾との「外交休兵」一転、蔡新政権に圧力

 【北京=川越一、台北=田中靖人】中国の王毅外相は17日、北京で西アフリカ・ガンビアのマクドゥアルゲイ外相と会談し、両国の「外交関係回復に関する共同声明」に署名した。

 ガンビアは1995年7月以降、台湾と外交関係を持ってきたが、2013年11月、一方的に断交を通告して中国との復交を要望した。だが、中国側は応じず、中国と外交関係の争奪戦をしない「外交休兵」を掲げる馬英九政権への配慮とされてきた。今回の復交は、独立志向の強い民主進歩党の蔡英文政権が台湾で5月に発足するのを前に、蔡氏側に圧力をかける狙いがあるとみられる。

 声明には「ガンビア政府は、世界に中国はただ一つしかなく、中国政府がすべての中国を代表する唯一の合法的な政府であり、台湾は分割できない中国の領土の一部分と認める」との文言が盛り込まれた。

 台湾の馬総統は17日、「極めて不当で、強烈な不満を示す必要がある」と述べた。台湾の外交部(外務省に相当)も同日、「遺憾」を表明。対中政策を主管する行政院大陸委員会は声明で、中国当局に「強烈な不満」を伝えたことを明らかにした。

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