LRT導入を検討 八王子市、市単独事業で整備

 八王子市の石森孝志(たかゆき)市長は25日、同市南東部に広がる多摩ニュータウン地域とJR八王子駅を核とする市中心部を直結する新交通システムとして、市単独事業でLRT(次世代型路面電車)導入を検討する意向を明らかにした。

 ニュータウン地区と市中心部の移動は、京王相模原線とJR横浜線を橋本駅(相模原市緑区)で乗り継ぐ形が一般的。

 市ではこれまで多摩都市モノレールが多摩センター駅から八王子方面へ延伸(約17キロ)されれば、両地区を直結して一体的なまちづくりが可能になるとして、昨年6月に官民共同で「整備促進協議会」を設置するなどして延伸を目指してきた。

 しかし、国土交通省の交通政策審議会が今年度中にもまとめる「東京圏の都市鉄道のあり方に関する答申」に延伸が盛り込まれるかは未定で、関係者には「早期実現は難しい」との見方が強く、引き続き延伸を働きかける一方で、「市が主体的に動ける対応」を模索することにした。

 モノレール延伸のための路線は同市内分約12キロのうち「6割以上の用地、道路を確保できている」ことから、同路線にLRTを通すことが可能かどうか、来年度から検討する。

 LRT導入には百億円単位のコストがかかるとみられ、経費圧縮のため、2台のバスをつないだような連節バスによる高速輸送システム(BRT)も検討対象になりそうだ。

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