露旅客機墜落

イスラム国系が「ロシア機墜落させた」と犯行声明 露当局「信憑性乏しい」

 【モスクワ=遠藤良介】ロシア航空当局に入った連絡によると、エジプト東部シャルムエルシェイクから露サンクトペテルブルクに向かっていたロシアのコガルイム航空のエアバスA321型旅客機(乗客乗員224人)が31日、エジプトのシナイ半島で墜落した。エジプトのメディアは、搭乗者全員が死亡したとする政府関係者の話を伝えた。エジプト当局は、機体トラブルによる事故だとの見方を強めている。

 墜落現場は、シナイ半島中部に位置する山岳地帯のハサナ地区。旅客機は大破した状態で発見され、150人以上の遺体が収容された。搭乗者の大半はロシア人旅行客で、在エジプト日本大使館では日本人乗客はいなかったとみている。

 旅客機は離陸の約23分後に消息を絶った。国営ロシア通信によると、同機のパイロットは離陸直後、技術的な問題があるとして、カイロへの緊急着陸を管制官に要請していた。

 露政府は事故原因を究明する国家委員会を設置し、治安当局も運航状況に関する捜査に乗り出した。イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」傘下の武装勢力が「ロシア機を墜落させた」とする声明をインターネット上に出したが、ソコロフ露運輸相は「信憑(しんぴょう)性に乏しい」としている。

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