安保法案

維新、対案路線が埋没…修正協議継続も 松野氏は不信任案提出意欲

 維新の党は10日、国会内で自民、公明両党と安全保障関連法案の対案に関する修正協議を行ったが、平行線に終わった。協議は継続するものの修正合意は困難で、松野頼久代表は同日も内閣不信任決議案を提出する意向を表明。民主党などとの連携を強める松野氏が「反民主党系幹部」を排除する中、維新の看板だった対案路線は埋没している。

 協議では、法案の柱である集団的自衛権行使の要件をめぐり、自国防衛の目的を明確にした「武力攻撃危機事態」の新設を訴える維新と与党の溝は埋まらなかった。自民党の高村正彦副総裁は記者団に協議を「神学論争」と指摘。公明党の北側一雄副代表も「修正は容易ではない」と語った。

 3党は15日にも協議することを確認したが、政府・与党は16~18日の法案成立を目指しており、合意に至る可能性は低い。松野氏は10日の記者会見で「(与党に)われわれの案が全く入れられない場合」と前置きした上で「違憲の法案を強行採決で国会を通過させるということだから当然不信任に値する」と強調した。

 ただ、与党との修正合意は内容の違い以外にも物理的に困難だった。対案8本を準備した維新が最初の5本を提出したのは、参院で法案が審議入りしてから1カ月以上も経過した8月20日。残り3本を出し終えたのは今月4日で、残された時間は限られていた。

会員限定記事会員サービス詳細