朝鮮半島情勢

南北急転直下の合意、「準戦時状態」解除 北「遺憾」表明、韓国「宣伝放送」中断

 【ソウル=藤本欣也】朝鮮半島の緊張緩和に向け、軍事境界線がある板門店で断続的に行われていた韓国と北朝鮮の高官協議は25日未明、南北関係改善のための当局者会談の早期開催や、地雷により韓国軍に被害が出たことに対する北朝鮮の遺憾表明、韓国の政治宣伝放送の中断など6項目で合意し、懸念された軍事衝突は回避された。

 協議終了後、韓国の金寛鎮(キム・グァンジン)大統領府国家安保室長が発表したところによると、北朝鮮は非武装地帯(DMZ)の韓国側に埋設された地雷が爆発し韓国軍2人が重傷を負った事件に遺憾を表明した。双方は(1)南北関係改善のための当局者会談をソウルか平壌で早期に開催する(2)韓国は、25日正午に全11カ所の政治宣伝放送を中断する(3)同時に北朝鮮は準戦時状態を解除する(4)9月初めに南北離散家族再会に向けた南北赤十字実務者協議を開催する(5)多様な分野での民間交流を活性化する-ことで合意した。

 協議には、韓国から安全保障政策を統括する金国家安保室長と洪容杓(ホン・ヨンピョ)統一相、北朝鮮からは金正恩(ジョンウン)第1書記の最側近である黄炳瑞(ファン・ビョンソ)朝鮮人民軍総政治局長と、対韓関係を統括する金養建(ヤンゴン)朝鮮労働党書記(統一戦線部長)が出席した。

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