「航空の安全を揺るがす大問題」関空で安全装置外して給油、燃料漏れ 国交省、エネオス系に再発防止指示

 関西国際空港で航空機に燃料を供給する給油会社の作業員が8月、給油車両が動かないようにする安全装置をかけずに給油した上、航空機にホースを差したまま車両を動かしたため、燃料漏れ事故を起こしていたことが15日、関係者への取材で分かった。国土交通省は「航空業務の安全対策を揺るがす事態」として、新関西国際空港会社を通じ、給油会社に対して再発防止や従業員教育を徹底するよう指示した。

 事故を起こした作業員は、石油元売り大手JXグループの燃料給油会社、IKS(大阪府豊中市)に所属。IKSの親会社、エネオスウイング(名古屋市)は、産経新聞の取材に「詳細は確認中」としている。

 関空では航空機に給油する際、地下のパイプラインにつながる地面のバルブと、機体の主翼下部にある給油口の両方に、「サービサー」と呼ばれる給油車両がそれぞれホースをつなげ、パイプラインから機体へ燃料をくみ上げる。車両は通常、事故防止のため、給油が終わってホースを収納するまで、トランスミッション(駆動装置)のギアが入らないようにする安全装置がかけられる。

 ところが、この作業員は8月17日、ピーチ・アビエーション機(A320型)に給油中、主翼にホースがつながった状態で車両を移動させ、ホースが外れた。

 ピーチによると、燃料供給は終わっていたが、ホース内部に残っていた燃料が駐機スペースに漏れ出した。この事故で主翼の給油口も破損したため、ピーチは往復2便を欠航した。

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