台風19号

首都圏の調節池ギリギリ…9割に到達、危機目前だった

 埼玉県戸田市などにまたがる荒川第1調節池でも、総貯留量3900万トンのうち、3500万トンと過去最大の水を溜めたことで、下流の東京都北区では、氾濫危険水位まで水位が上がることはなかった。

 ■神田川「環7地下調節池」、ほぼ満タン

 都内でも同様だ。神田川などの水を地下に溜める地下調節池「神田川・環状7号線地下調節池」でも、総貯留量54万トンの約9割程度まで水が達したという。

 横浜市などを流れる鶴見川では一時水位が上がったが、ラグビーワールドカップの日本対スコットランド戦が行われた日産スタジアムがある「鶴見川多目的遊水地」(同市港北区)は総貯留量390万トンのうち、94万トンを貯めた。

 ただ、調節池より上流部分の支流などで氾濫が起きているところもある。国土交通省の担当者は「応急復旧を進めるとともに、原因を調査していく」としている。

 ■調節池

 上流で大雨が降るなどして、川の水位が上昇した際に、水の一部を一時的にためることで川の水の量を減らす設備。川と池の間の堤防を一部低くすることで、水位が上がると自動的に流れ込む。大小さまざまで、普段は公園や空き地になっている場合もある。自然豊かな渡良瀬遊水地や、日産スタジアムのある鶴見川多目的遊水地などが有名。

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