ドラマ&映画 カテゴリ
ORICON NEWS

窪田正孝&北村一輝は“良きお手本” プロが絶賛するドラマ『4号警備』のリアル

 NHK・総合で放送中の土曜ドラマ『4号警備』(毎週土曜 後8:15〜8:43)。民間警備会社によるボディガード、“身辺警護”を題材にした物語だが、このドラマをきっかけに、警備の仕事が4つの種類に分けられることを知った人も多いのでは? 警備業界を律する「警備業法」が定めるところで、人を守るボディガードの仕事を「4号警備」と呼ぶ。なじみのない4号警備だが、ドラマと現実の違いは? 警備に関する考証(監修)を担当するセキュリティコンサルティングの専門家・木本亮氏に聞いた。

民間警備会社を題材したドラマ『4号警備』主演の窪田正孝(左)と北村一輝(右)(C)NHK

民間警備会社を題材したドラマ『4号警備』主演の窪田正孝(左)と北村一輝(右)(C)NHK

写真ページを見る

【写真】その他の写真を見る


 ちなみに、1号警備は、企業ビル・マンション・店舗などの施設警備業務。2号警備は、工事現場やイベント会場などで交通整理・誘導を行う雑踏警備業務。3号警備は、現金などの輸送警備業務を行う。

――ドラマや映画では、現実ではあり得ないようなことが、あたかも事実のように描かれてしまうこともありますが、ドラマ『4号警備』における身辺警護のディテールは、プロの眼から観て?

【木本氏】すごくよく再現してくださっていると思います。第1話でナイフを持った男と朝比奈(窪田正孝)が格闘するシーンがありましたが、実際の警備員が皆、あんな動きができるわけではありません(笑)。そこはドラマならではの演出、エンターテインメントな部分ですが、それ以外の描写は、すごく忠実。実際は、できる限り格闘は避け、シンプルに片付けようとします。不審者を取り押さえて、周りにいる人に「離れてください」と呼びかけたり、「誰か通報してくれませんか」と頼んだりしている姿はそのまま、リアルですね。全7回の放送で、6つのケースが描かれますが、身辺警護のお手本、教科書のようなドラマだと思います。

――主人公の朝比奈と相棒の石丸(北村一輝)は?

【木本氏】警備員として理想的な2人だと思います。朝比奈の「お客もハッピー、自分もハッピー、これが4号警備ですよ」というせりふのとおりだと思っています。身辺警護が必要な状況というのは、深刻といえば深刻なのですが、警備員は危険に立ち向かうためにただ自分の身を削れば良いというものではありません。楽しく仕事するのが一番ですし、依頼人とより良い信頼関係を築くためにも、コミュニケーションをとることは大事だと思いますし、笑顔が一番です。

――ドラマに登場する警備会社「ガードキーパーズ」の制服は「定番の制服とは少し違った、新しいイメージの警備服を表現」(NHK)しているそうなのですが、制服のない身辺警護の2人の服装はどうですか?

【木本氏】依頼人が「目立たないよう、さりげなく」と希望した第1話では私服スタイル、第3話のように大手企業の社長の警護でスーツを着ることもあります。依頼人の希望によってふさわしい服装を整えて警護にあたるというのも大事なことで、その点もよく表現されていると思います。

――ほかに、リアルだな、と思ったところは?

【木本氏】朝比奈たちが勤める民間警備会社の社長を演じる木村多江さんが「4号警備はもうからない」と言っているのは、ストーカー対策など個人向けの契約についてだと、実際そうですね。朝比奈たちの上司・池山役の片岡鶴太郎さんが「もうかるかどうかの話じゃないんです、4号警備は」というところも、当事者たちの本音を代弁してくれていると思います。企業向けの長期契約でないと計画的に利益を見込みづらい、という警備会社の苦労を踏まえたうえでのせりふになっています。

 撮影現場では、窪田さんと北村さんの2人でよく話し合って、アイデアを出し合っている姿が印象的でした。私がお話できるのは「実際の警備員はこうすることが多い」ということなんですが、それをお二人が朝比奈だったらもっとこうする、石丸だったこうなるんじゃないか、と提案しながら撮影していて、なるほどな、と感心するシーンが多々ありました。お二人のバディ感もとてもリアルですてきだと思います。

――そもそも「4号警備」にスポットライトが当たったことをどう思われましたか?

【木本氏】ドラマの題材になると業界が盛り上がるといいますか、警備の仕事に携わっている人たちの士気もあがる。それだけでもとてもありがたいことです。ただ、身辺警護の仕事が繁盛するような世の中はよろしくないので、そうなってほしくはありませんが。

――ドラマを観て、窪田さん演じる朝比奈のような警備員になりたい、と思うのは甘いですか?

【木本氏】いえ、朝比奈のような「人を守る」気持ちに憧れて、警備員になりたいと思ってくれる若者が増えたらうれしいです。実は、警備の仕事は見た目も大事なんです。特に、依頼人と行動をともにする4号警備は依頼人を安心させるという事がとても大事なので、適切な服装かどうか、接していて好感を持てるかどうかという意味も含め、「見た目が9割」といっても過言ではありません。ただ、朝比奈は元警察官という設定ですが、警察官の方には警察をやめて警備員になろうと思わずに、警察官として頑張っていただきたいです(笑)。

関連写真

  • 民間警備会社を題材したドラマ『4号警備』主演の窪田正孝(左)と北村一輝(右)(C)NHK
  • 5月20日放送、最終回より。人身売買を告発しようとする弁護士・渋谷(塚本晋也)の警護を引き受けた朝比奈(窪田正孝)と石丸(北村一輝)(C)NHK
  • NHKのドラマ『4号警備』で警備に関する考証(監修)を担当したセキュリティコンサルティングの専門家・木本亮氏 (C)ORICON NewS inc.
  • 民間警備会社を題材したドラマ『4号警備』5月13日放送、第6回より。“二人で一人を守る”身辺警護について葛藤する朝比奈(窪田正孝)と石丸(北村一輝)(C)NHK
  • 民間警備会社を題材したドラマ『4号警備』5月20日放送、最終回より。左から、朝比奈(窪田正孝)と石丸(北村一輝)(C)NHK
  • 民間警備会社を題材したドラマ『4号警備』5月20日放送、最終回より(C)NHK

オリコントピックス

あなたにおすすめの記事

メニューを閉じる

 を検索