将棋王座戦、豊島将之九段が挑戦者に 大橋貴洸六段破る
第70期将棋王座戦(日本経済新聞社主催、東海東京証券特別協賛)の挑戦者決定戦が25日、大阪市の関西将棋会館で指され、123手で先手の豊島将之九段(32)が大橋貴洸六段(29)を破って挑戦権を獲得した。3連覇中の永瀬拓矢王座(29)との五番勝負第1局は、8月31日に東京都港区のグランドプリンスホテル新高輪で指される。
対局を終えた豊島九段は「厳しい戦いになると思うが、しっかり準備して臨みたい」と五番勝負の抱負を語った。タイトル初挑戦を逃した大橋六段は将棋の内容を反省しつつ「次に生かしていけたら」と前を向いた。
豊島九段は現在は無冠だが、竜王や名人などのタイトル獲得歴があり三冠を達成したこともあるトッププロ。藤井聡太王位(五冠、20)に挑戦中の王位戦に続くタイトル挑戦となる。永瀬王座と豊島九段がタイトル戦で顔を合わせるのは、豊島九段が4勝3敗2持将棋(引き分け)1千日手で制して異例の「十番勝負」といわれた2020年の叡王戦以来2度目。
この日の将棋は、相居飛車で大橋六段が左美濃囲いの金を前線に繰り出す工夫の仕掛けをみせた。豊島九段は角金交換から、手にした金で桂馬を拾って後手玉に迫り優勢に。大橋六段も反撃に出たが、豊島九段が勝ちきった。
囲碁と将棋のタイトル戦「王座戦」(日本経済新聞社主催)が2022年で創設から70年を迎えました。対局結果などの最新ニュースと特集・解説をまとめました。