ヤマハ発動機、プール事業から撤退 国内需要低迷で
ヤマハ発動機は3日、2024年3月末で学校やレジャー施設など向けのプール事業から撤退すると発表した。繊維強化プラスチック(FRP)製のプール製造を手がけており、22年末時点で学校向けでは累計で6500基以上を納入していた。需要が縮小する中で、事業の選択と集中が必要と判断した。これまで納入したプールの保守は続ける。撤退に伴う業績影響は軽微としている。
プールを含むFRP事業の22年度の売上高は36億円、営業損益は2億円の赤字だった。少子高齢化で学校へのプール新設が減っていることに加え、新型コロナウイルスの影響でレジャー施設などでの需要が低迷したことも響いた。
プールは静岡県湖西市の工場で製造している。事業に携わる約100人の従業員は撤退後、他の事業などに移る方針。
ヤマハ発はFRPプールでは国内シェア首位とみられる。FRPは軽量で強度が高いのが特長。同社はボート事業で培った加工技術を生かして参入し、1974年に日本で初めてFRP製のプールを製品化した。
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