関電高浜原発4号機が自動停止、「中性子の急減」検知
原子力規制庁は30日、関西電力から同日午後3時すぎに、運転中の関電高浜原子力発電所4号機(福井県)が自動停止したとの連絡を受けたと発表した。中性子の量が急激に減少する異常を検知した。核燃料の冷却には問題なく、周辺の放射線量も異常はないという。運転再開のめどは立っていない。電力需給への影響は限定的と見られる。
発電所内の原子炉容器の周りに設置している検知器が異常を検知した。31日夕方から夜にかけて冷温停止状態とし、詳細な調査を始める見通しという。関西電力は「社会の皆様にご心配をおかけし、おわび申し上げる」とのコメントを発表した。
関西電力送配電は、高浜4号機の停止を受けて「関西エリアを含む広域予備率を踏まえると、現時点で関西エリアの電力需給に問題はないと考えている」とした。関西エリアでは、高浜4号機が止まった30日夜でも10%超の予備率を確保している。
高浜4号機は2022年12月に定期検査を終えて本格運転を再開していた。当初は同年10月21日に原子炉を起動する予定だったが、同日に1次冷却水の圧力を調整する装置「加圧器逃がし弁」の温度上昇を確認し、原子炉起動を延期していた。
高浜4号機は16年には再稼働直後のトラブルで原子炉が自動停止していた。司法判断での停止もあり、再稼働に1年3カ月かかった。