フランス地方選決選投票、与党が大敗 野党共和党が勝利
【パリ=白石透冴】フランスで統一地方選の決選投票が27日にあり、開票の結果マクロン大統領が率いる与党「共和国前進」は海外領土を除いた全ての「地域圏」で敗北した。2022年の大統領選の前哨戦と位置付けられており、再選に向け厳しい結果となった。中道右派である共和党が地方基盤を生かして勝利した。
仏メディアによると、海外領土を除いた13の地域圏のうち、パリ首都圏「イルドフランス」など7つで共和党系が勝利する勢いだ。中道左派の社会党系が5つを押さえ、コルシカ島では地域政党が勝つ見通し。ルペン氏が率いる極右国民連合は事前の世論調査では躍進するとの見方があったが、全ての地域圏で敗れた。
得票率は共和党系が38%、中道左派社会党系が34.5%、国民連合20.5%となったもよう。共和国前進は7%とみられる。16年創設のマクロン与党は地方に足がかりがなく、20日の1回目投票でも決選投票に進めない選挙区があるなど大苦戦していた。地方で高い失業率などもマクロン氏への反感につながり、逆風となった。
選挙では日本の都道府県に当たる自治体と、さらに大きい「地域圏」の地方議会議員、合わせて約5800人を比例代表制などで選んだ。20日の1回目投票で得票数の少なかった政党を除き、決選投票で決める仕組み。選挙は当初3月の実施を予定していたが、新型コロナウイルス禍を受け延期していた。
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