ペルーの閣僚や前大統領、承認前の中国製ワクチン接種
【サンパウロ=外山尚之】南米ペルーで閣僚や前大統領が承認前の新型コロナウイルスのワクチンを接種していたことが発覚し、大きなスキャンダルとなっている。中国が自国製のワクチンを売り込むために接種を持ちかけていた疑惑も浮上しており、ワクチンを巡る利権が問題となりそうだ。
アステテ外相が14日、中国医薬集団(シノファーム)のワクチン承認が完了する前に接種していたことを認め、辞職した。同氏は中国との交渉役だった。ほかにも2020年11月に罷免されたビスカラ前大統領が任期中に秘密裏に接種していたことが発覚しており、マセッティ保健相も辞任した。ほかにも接種を受けた政府関係者がいる可能性があり、検察当局が捜査に乗り出している。
ペルーは南米のなかでも感染拡大が深刻だが、十分なワクチンが確保できていない状況で、中国製のワクチン頼みとなっている。地元メディアは中国政府が「好意の接種」として、有力政治家などに売り込んでいたと報じている。サガスティ大統領は「完全に不適切な行為だ」として、一連の接種に関係する閣僚は罷免すると説明した。
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