気象庁、東日本大震災「余震」使わず 判断困難に
気象庁は1日、東日本大震災後に地震活動が活発な領域で起こる地震について、今後は「余震」と表現しないと発表した。発生から10年が経過し、本震の影響によるものか判断が難しくなったため。この領域ではマグニチュード(M)7級の別の地震も発生が想定されており、同庁は注意を呼び掛けている。
気象庁は本震の震源域を含む青森県沖から千葉県沖にかけての南北約600キロ、東西約350キロの範囲を「余震域」とし、域内で震災後に起きた地震をすべて余震とみなしてきた。
同庁の観測によると、M4.0以上の余震は本震後1年間に5387回観測され、9年後からの1年間は212回と約25分の1まで減った。震災前の発生頻度に近づきつつあり、本震の影響で起きたか判断しにくくなっているという。
余震域を含む日本海溝沿いでは、政府の地震調査委員会の長期評価で、今後30年以内にM7.0~7.5程度の地震が起こる確率が、青森県東方沖~岩手県沖北部で90%以上、宮城県沖で90%、茨城県沖で80%などとされている。気象庁の担当者は「余震かどうかに関わりなく、大きな地震や津波に備えてほしい」と話している。