「イスラム国」が化学兵器施設制圧 イラクが確認
【ブリュッセル=共同】イラク政府は9日までに、同国で勢力を拡大するイスラム過激派「イスラム国」により、フセイン政権時代の化学兵器関連施設が6月に制圧されたことを確認した。オランダ・ハーグの化学兵器禁止機関(OPCW)や国連に報告した。
施設の2つの地下壕(ごう)には、神経ガスのサリンが充填された多数のロケット弾や他の化学兵器の原料などが残っているとされる。米国などは、兵器は古く使用困難で、過激派が直ちに軍事目的で使う恐れは低いとみている。
イラク政府が8日のOPCWの執行理事会で述べた声明によると、イスラム国は6月11日、首都バグダッドの北西約70キロのムサンナにある施設を襲撃、一部の機器を略奪した。設置されていた監視カメラは使用できなくされているという。
イラクは2009年に化学兵器禁止条約に加盟。同施設に残っている化学兵器の破壊が大きな課題となっている。