ソマリアのイスラム過激派が犯行声明 ケニア襲撃
ケニアの首都ナイロビのショッピングモールで21日に起きた武装集団襲撃事件で、隣国ソマリアのイスラム過激派組織アルシャバーブは同日、インターネット上で犯行への関与を認める声明を出し、さらなる攻撃を警告した。
ケニア政府高官は22日、死者数が59人に達し、175人が負傷したと述べた。ケニヤッタ大統領は21日夜のテレビ演説で、襲撃を「テロ」と非難した。同高官によると武装集団は10~15人で、人質を取って22日もショッピングモール内に立てこもっている。人質の数は不明。
現地外交筋などによると、これまでに外交官を含むカナダ人2人と、フランス人2人、韓国人、中国人の死亡が確認された。その他の犠牲者には子供も含まれるという。
アルシャバーブは声明で、犯行はケニア軍が2011年10月にソマリア南部に進攻したことへの報復だとし、ケニア軍の撤退を求めた。ケニア政府によると、武装集団の1人が拘束されたが、銃撃による傷が原因でその後、死亡した。
AP通信は、米国人4人が負傷したとの情報があると報道。在ケニア日本大使館によると、日本人が巻き込まれたとの情報は入っていない。
大統領は演説で「卑劣な行為だ」として、テロに屈しない姿勢を強調。最優先課題は人質の生命保護と述べた。自分の近親者が巻き込まれて死亡したとも語った。
アルシャバーブはケニア軍の進攻後に繰り返しテロを警告。多くの外国人が訪れる同ショッピングモールはテロの対象になり得るとみられていた。
国際テロ組織アルカイダと連携するアルシャバーブは、ソマリアでは勢力が減退しつつあるが、国内で自爆テロを続けている。(ナイロビ=共同)