天然記念物の馬、伝染病感染で殺処分 宮崎で12頭
宮崎県は22日、馬伝染性貧血に感染した同県串間市の都井岬に生息する国の天然記念物、御崎馬(みさきうま)12頭について、感染拡大を防ぐため殺処分したと発表した。県は5月に感染を確認したが、野生馬は家畜伝染病予防法の対象外のため、感染馬を隔離して対応を検討していた。
県によると、都井岬の御崎馬96頭のうち、感染した12頭を同日、隔離施設内で薬殺。23日までに焼却処分する。馬伝染性貧血は母子感染が多いが、吸血性の昆虫が媒介することもあり、隔離しても他の馬に広がる恐れがあるため殺処分を決めたという。
県は「馬を守りたかったが、感染のまん延防止のため、やむを得なかった」としている。
馬伝染性貧血は馬類だけに感染するウイルス性の家畜伝染病。宮崎市の日本中央競馬会(JRA)宮崎育成牧場で3月、1頭の感染が18年ぶりに確認された。〔共同〕