学習塾に9800万円賠償命令 宇治の小6女児殺害
京都府宇治市の学習塾で2005年、小学6年の堀本紗也乃さん(当時12)が元塾アルバイト講師、萩野裕受刑者(27)=殺人罪などで懲役15年確定=に殺害された事件で、両親が学習塾「京進」(京都市)に計約1億3千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、京都地裁は31日、塾の使用者責任を認め計約9800万円の支払いを命じた。
判決理由で松本清隆裁判長は「安全であるべき塾の教室内で、突如残酷に殺害され、悲しみは察するに余りある」と指摘した。
京進側は十分な防止策を取らなかったことについて責任を認めた上で、損害額を争っていた。
事件は05年12月10日に「京進宇治神明校」で発生。昨年3月の大阪高裁判決は、完全責任能力を認め懲役18年とした一審判決を破棄、無期懲役を選択した上で心神耗弱だったとして減刑した。
京進は「中立公正な判断と受け止め従いたい。事件を心に留め、安全対策に一層取り組みたい」とコメントした。〔共同〕