「甘くないコーラ」 飲用シーン広げるペプシの試み
サントリー食品インターナショナル「ペプシドライ」
サントリー食品インターナショナルは、従来のペプシコーラと比べて甘さを半分以下に抑えた炭酸飲料「ペプシドライ」を発売した。糖度とカロリーを通常品に比べて半分以下にした。
甘さを抑えることで、すっきりとキレのある味わいに仕上げた。コンセプトは「甘くないコーラ」だ。パッケージも銀色を基調にして、泡のイメージをあしらった背景に商品名をシンプルな字体で示したうえで、「甘くないコーラ」と記し、コンセプトが一目で分かるようにした。
価格は147円、販売目標は2011年内に100万ケース、発売は5月24日。
【ベンチマーク商品なし】
日本コカ・コーラには、通常の「コカ・コーラ」に加え、カロリーや糖類、合成香料をゼロにした「コカ・コーラ ゼロ」と、カフェインもゼロにした「コカ・コーラ ゼロフリー」があるが、ペプシドライと似た「甘くないコーラ」はないため、今回は絶対評価とした。
【日経産業地域研究所研究員の視点】
日本のコーラ市場では、1990年代から2000年代前半に「ライト」や「ダイエット」と冠した商品が人気を得た。その後、2006年にカロリーゼロの「ペプシネックス」、2007年に「コカ・コーラ ゼロ」など、いわゆるゼロ系飲料が相次いで発売され、「通常品かゼロか」で選ぶ市場になっていった。
そのなかでサントリーは、ハイボールやノンアルコールビールが食事中に飲まれる場面が増えるなど、薄味系が好かれる傾向が出てきたと判断し、今回の「ペプシドライ」を投入した。コンセプトの「甘くないコーラ」を実現するために苦労した点は、おいしさにつなげる糖度の設定。「後味の良さ」や「すっきり感」を重視し、通常品の糖度が11.2度のところを、5.2度としたという。カロリーも通常品の4割強に下がっている。
広告では俳優・モデルの伊勢谷友介さんと桐谷美玲さんを起用、それぞれが10人に「分身」して「10人いたら10人が甘くないと答えるコーラ」「十中八九甘くないと答えるコーラ」と打ち出し、「甘くない」をアピールする。場面を限定せず、幅広い状況で飲めるイメージも打ち出したという。真夏に向けてコーラの飲用シーンが広がるかにも注目したい。
価格 | 147円 |
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販売目標 | 2011年内に100万ケース |
発売 | 5月24日 |
内容量 | 490ml |
カロリー(100ml当たり) | 21kcal |
原材料 | 果糖ぶどう糖液糖、カラメル色素 酸味料、保存料、香料、カフェイン |
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