横浜の中大付属中で不正入学 合格取り消し
中央大学横浜山手中学校(横浜市中区)が今年2月に実施した入学試験で、得点が合格ラインを下回った久野修慈・中央大理事長の知人の孫を合格させていたことが26日、神奈川県などへの取材で分かった。不正入学として問題視した福原紀彦・中央大学長の要求で合格は取り消された。
久野理事長らは同日、東京都内で記者会見し、「受験生や社会に大変なご迷惑をおかけした」と陳謝。大学理事会は久野理事長の報酬の30%、福原学長の報酬の10%をそれぞれ3カ月間、自主返納させることを決めた。
中学校を所管する県学事振興課などによると、久野理事長が知人に会った際に「孫が受験するのでよろしく頼む」と言われ、中学校の田中好一校長に伝えた。受験生本人は事情を知らなかったという。
入試は2月2日にあり、受験生の成績は合格ラインを下回ったが、田中校長が合格を決めた。その後、大学側が縁故入学があったことを知り、中学校に「不合格にすべきだ」と要求。中学校は約1カ月後の3月1日付で合格を取り消し、入学手続きを済ませていた受験生に通知した。
県は3月上旬、理事長と校長から報告を受け、合格させた受験生の入学を取り消したのは不適切などとして、適切な対応をするよう求めた。
ホームページによると、中高一貫の女子校だった横浜山手女子中学・高校が2010年に中央大学の付属校となり、現校名となった。今年春に共学化。来春には横浜市都筑区に移転し、中央大付属横浜中学・高校に校名変更される。